各都道府県におけるタクシードライバーの年収事情
現在、転職を検討している方々は、新しい職場や業界について詳細を知りたいと思うでしょう。その中でも、地域によって異なる平均年収についての情報は特に重要です。そこで、全国のデータを元にして、タクシードライバーの平均年収についてご紹介します。
タクシー運転手の年収には、都道府県ごとに差がある
タクシー運転手の平均年収は都道府県によってかなりの差があります。令和4年度で最も高いのは大阪府で約437万円であり、一方で最も低い県では約208万円です。同じタクシー運転手であっても、働く地域によって年収に2倍以上の差が生じることがあります。これは、地域の人口や大規模な商業エリアの有無などが影響しています。都市部や繁華街がある地域では、タクシーが夜間や観光客によって多く利用されるため、運転手の収入が比較的高い傾向があります。対照的に、人口の少ない地域では飲食店や娯楽施設が限られており、タクシー需要が低いため、運転手の収入が制限されることがあります。
都道府県別の平均年収
【令和4年 全国ハイヤー・タクシー連合会調べ】
平均年齢(歳) | 平均年収(円) | |
北海道 | 62.8 | 2,692,800 |
青森 | 62.5 | 3,225,600 |
岩手 | 61.2 | 2,150,400 |
宮城 | 62.3 | 2,835,600 |
秋田 | 62.9 | 2,348,400 |
山形 | 62.2 | 2,402,400 |
福島 | 64.1 | 3,045,600 |
茨城 | 65 | 2,078,400 |
栃木 | 62.5 | 3,470,400 |
群馬 | 65 | 3,181,200 |
埼玉 | 61.3 | 3,084,000 |
千葉 | 66.6 | 3,482,400 |
東京 | 51.8 | 4,172,400 |
神奈川 | 60.2 | 3,614,400 |
山梨 | 74.9 | 3,394,800 |
新潟 | 62.5 | 2,478,000 |
富山 | 59 | 2,961,600 |
石川 | 56.6 | 3,466,800 |
長野 | 63.4 | 2,918,400 |
福井 | 65.1 | 2,852,400 |
岐阜 | 64.7 | 2,640,000 |
静岡 | 57.6 | 3,291,600 |
愛知 | 57.4 | 3,768,000 |
三重 | 61.6 | 3,056,400 |
滋賀 | 57.8 | 3,556,800 |
京都 | 61.7 | 3,212,400 |
大阪 | 57.8 | 4,371,600 |
兵庫 | 59.7 | 3,966,000 |
奈良 | 62.1 | 2,643,600 |
和歌山 | 60.3 | 2,550,000 |
鳥取 | 61.8 | 2,650,800 |
島根 | 62.2 | 2,949,600 |
岡山 | 61 | 3,373,200 |
広島 | 63 | 2,814,000 |
山口 | 63.4 | 3,104,400 |
徳島 | 60.9 | 2,709,600 |
香川 | 63.3 | 2,553,600 |
愛媛 | 62.3 | 2,797,200 |
高知 | 66 | 2,546,400 |
福岡 | 60.3 | 3,438,000 |
佐賀 | 65.6 | 2,730,000 |
長崎 | 61 | 2,953,200 |
熊本 | 66.6 | 2,684,400 |
大分 | 65.7 | 2,666,400 |
宮崎 | 66.7 | 2,511,600 |
鹿児島 | 68.5 | 2,584,800 |
沖縄 | 64.7 | 2,318,400 |
平均年収を見る際の注意点
給与体系は歩合制
タクシー会社は多岐にわたりますが、多くが給与制度を完全歩合制としています。このため、ドライバーの収入には大きな差異があります。さらに、働き方においては隔日勤務や日勤・夜勤での勤務の違いもある中で、営業スタイルや勤務時間などの自由度が高い反面、行動量(たとえば休憩時間の長さなど)が収入に大きな影響を及ぼし、結果的に収入格差を拡大させる要因となることがあります。
年金受給者の年収も統計に含まれている
タクシー業界の平均年齢が約60歳と非常に高い要因の一つとして、定年後にも嘱託制度で働くシルバー人材が多いことが挙げられます。嘱託社員は年金受給額との調整を行うため、給与水準を抑える傾向があり、これが平均年収を下げている要因となります。
実際、シルバー人材の存在は非常に顕著で、タクシー業界において65歳以上、すなわち年金受給者の割合は全体の約48%にも及び、他の業界と比較して圧倒的に高いことが報告されています。このような要因から、タクシー業界の収入について他業界との単純比較が難しい事実も考慮すべきです。
収入を増やしやすい地域は主に首都圏と観光地域
都道府県別のデータを検討しましたが、高収入を得やすい地域は依然として首都圏、特に東京や大阪などが主要です。特に東京は、多くの観光客が訪れるほか、公共交通機関を利用する人が多く、駅からタクシーを利用する機会も増加しています。
同様に、兵庫、神奈川、愛知などの観光地域も高収入の見込みがあります。
「タクシー運転手として高収入を得たい!」という希望がある方にとって、これらのランキングを参考にして、上位の地域でタクシー会社を探すことが良い戦略となるかもしれません。
都心部と比較して、地方のタクシードライバーが収入が低い理由
地方でのタクシードライバーの収入が都市部に比べて低い背後には、生活環境の違いが大きく影響しています。地方では、マイカーを所有し通勤する人々が多く、タクシーの需要が都市部ほど高くありません。さらに、地方の人口が都市部に比べて少ないため、タクシー需要自体が限定的なのが現実です。ただし、地方におけるタクシーの競争率は低いことも多いです。
また、都市部と異なり、地方では流し営業が一般的ではなく、無線配車や付け待ち営業が主要な業務形態となります。需要が高まるのは、駅や病院などの特定の地域であり、高齢者の通院需要も存在します。それにもかかわらず、都市部と比べてタクシーの需要が制約されていることは否めません。
収入が低くてものんびりと働きたいなら地方がオススメ
収入よりも、自分のペースでのんびり働きたいと考える方にとって、地方でのタクシードライバーの仕事は適しています。地方では、流し営業のスキルを高める必要が少なく、無線からの指示に従ってお客様を迎えに行ったり、駅周辺で待機するスタイルが一般的です。首都圏などで高収入を得る可能性は低いかもしれませんが、ゆったりと働くためには理想的な環境です。特に定年後に静かな場所で働くことを希望する方にはおすすめです。
高収入を目指すなら都市部で働く
タクシードライバーの職業において高い年収を追求する場合、地方での就業は不利な要素が多いことがあります。そのため、高年収を目指すなら、都市部でのタクシードライバーとしてのキャリアを考えることが一つの方法です。特に東京のタクシー会社で働く選択は、収入向上の可能性が高いです。
都心のタクシー会社は社員寮を提供しており、地方から上京するドライバーにとって労働環境が整っています。未経験者でも積極的に採用している点も魅力的です。また、二種免許が必要ですが、入社後に取得可能な場合も多く、その費用は会社が負担し、取得期間中の日給も支給される制度があります。高年収を追求するためのスムーズなスタートを切るために、都市部への転職を検討してみることがおすすめです。
未経験者でもタクシードライバーで稼げる
タクシードライバーの職務には厳格なマニュアルは存在せず、個人の給与や休暇に関する希望に応じて働き方が多様です。
特に首都圏では、さまざまな仕事形態があり、タクシードライバーは自身に合った働き方を選択できます。近年のトレンドの一つはアプリを活用したタクシーの配車です。主要な大手タクシー会社では、『GO』、『S.ride』、『DIDI』、『Uber』などの4つの主要なアプリを利用して、業務をより効率的に遂行しています。
これらのアプリは多くの利用者に支持されており、若年層から年配の人々まで幅広い層に利用されています。スマートフォンの普及とともに、電子決済機能や事前に降車地を指定できる機能など、タクシーの利便性向上のための便利な機能が多数導入されています。これらの最新システムの導入により、地理に詳しくないことや経験不足による機会損失を最小限に抑えることが可能になりました。
最近のタクシー業界動向は?
タクシー業界の最新の動向について、2022年の夏以降、タクシー利用者数が回復し、都市部ではライドシェアの考慮があるほどにタクシー利用者が増加しています。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、スマートフォンアプリを活用してタクシーを呼ぶ傾向が大幅に増加し、これまであまりタクシーを利用しなかった若年層からの需要も高まっています。
これに伴い、各タクシー会社はドライバーの確保が急務となり、ドライバーの採用に関する求人広告も増加しています。大手タクシー会社では、過去に存在した「3K(きつい、汚い、危険)」というネガティブな印象を払拭し、福利厚生の改善やワークライフバランスの見直しを実施しています。
年齢層に関しても、かつて業界の平均年齢が60歳以上と言われていましたが、新卒者や既卒者を含む若い世代の採用が活発化し、一都三県だけでなく、名古屋、大阪、福岡などでも若いタクシードライバーが活躍しています。
まとめ
タクシー運転手の年収相場は、都道府県ごとに大きな差異があり、首都圏や観光地域では他の地方と比べると高収入を得る可能性が高いです。特に東京や大阪などの都市部では、多くの観光客が訪れ、公共交通機関を利用する人が多いため、タクシーの需要が非常に高く高収入のチャンスが広がっています。一方、地方では人口が少なくマイカー所有率も高い事情からタクシーの需要も都市部と比べると低いため、年収が低くなる傾向がありますが、都市部と比べると忙しすぎない、またはゆったりと働けるという利点があるともいえます。
タクシー運転手の仕事は一人ひとりの給与希望やお休みの希望に合わせてある程度柔軟に働き方を選択できる職種です。自分にあった働き方を見つけましょう!
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